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甘橘山ハチミツ
~江之浦の時を重ねた黄金のしずく~
2024年から甘橘山の生態系の調査を兼ねて養蜂を開始し、1年をかけて進めてきました。
蜜蜂は、花から花蜜と花粉を集めると同時に花粉の媒介を行い、植物の再生産を支えています。
この生命活動は、自然界における生態系の循環だけでなく、農業生産の現場においても欠かせない重要な役割を果たしています。
蜜蜂と共生することにより、私たちは甘橘山の植物の種類や四季の移り変わりをより深く理解できるようになりました。
今年は、その甘橘山で育まれた蜜蜂が集めた貴重なハチミツを皆様にお届けいたします。
西洋蜜蜂と日本蜜蜂の違い
蜜蜂にはいくつかの種類がありますが、日本で代表的に知られているのは「西洋蜜蜂(セイヨウミツバチ)」と日本の在来種である「日本蜜蜂(ニホンミツバチ)」の2種です。どちらも花の蜜を集めてハチミツを作る社会性のある昆虫ですが、その生態や性質には大きな違いがあります。
西洋蜜蜂はヨーロッパやアフリカが原産の蜂で、明治時代に日本に導入されました。性格はおとなしく、人間にとって扱いやすいため、現在の商業的な養蜂では主にこの種が使われています。採蜜量が多く、単一の花から大量にハチミツを集めることができるため、アカシア蜜やレンゲ蜜など、特定の花に由来する純度の高いハチミツが作られるのが特徴です。ここ<甘橘山>ではこの西洋蜜蜂を飼育しており、柑橘畑での単花蜜を採蜜に適しています。
一方、日本蜜蜂は日本固有の在来種で、野生でも広く見られます。性格はやや繊細で、環境の変化やストレスに敏感なため、養蜂にはやや手間がかかりますが、日本の自然環境への適応力が非常に高く、多種多様な花から蜜を集めるため、複雑で深みのある「百花蜜」を作ることができます。<甘橘山>でも、来年は日本蜜蜂の飼育にチャレンジする予定です。
蜜蜂と環境との関係性
蜜蜂は、私たちが思っている以上に自然環境と深く結びついています。花から花へと蜜や花粉を集める過程で、植物の「受粉(じゅふん)」を助けています。これは植物が実を結び、種を残すために欠かせない働きです。野山の草花だけでなく、果物や野菜など、多くの農作物も蜜蜂によって実をつけているのです。
しかし近年、農薬や気候変動、森林伐採などの影響で、蜜蜂の数は世界的に減少しています。特に、「蜂群崩壊症候群」と呼ばれる現象では、突然多くの蜜蜂が巣からいなくなるという事例も報告されています。これは、自然環境のバランスが崩れていることのサインでもあり、私たちの暮らしにも深刻な影響を与える可能性があります。 蜜蜂を守ることは、私たち自身の未来を守ることにもつながります。自然と共生する社会を築くためには、小さな生きものたちの声にも耳を傾けることが大切だと考えています。